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zoom RSS アダルトチルドレンの原因となる“慢性的な見捨てられ不安・喪失感”と“情緒的なネグレクト”の関係

<<   作成日時 : 2009/10/05 17:38   >>

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アダルトチルドレンとしての過去を持つ人は、『抑圧・否認・隔離・投影・合理化・解離』といった防衛機制によって自分の悲しみや痛み、絶望を覆い隠そうとする認知パターンを持っています。何かつらいことがあった時に頭の中に思い浮かんでくる典型的な“自動思考”として、『このくらいのことは大したことではない・自分は傷つけられることには慣れている・自分には他人から大切にされるだけの価値がないから仕方ない』といった自己否定的な思考パターンがあります。

アダルトチルドレンの問題によって起こる大きな障害の一つは、依存的な方法でしか他人と親密な関係をなかなか結べないことであり、自分の尊厳(存在価値)に対して極めて悲観的な認知を持っているために、慢性的な自信喪失や抑うつ感に襲われやすいということです。健康な精神発達プロセスを侵害するアダルトチルドレンの原因は、幼少期〜思春期における成育環境・親子関係の偏りですが、親しい他者と離れることを極度に恐れる『見捨てられ不安』では、境界性パーソナリティ障害(BPD)との共通性が見られます。

『アダルトチルドレンの自己認識を持つ人』『境界性パーソナリティ障害(境界性人格障害)』を持つ人とはオーバーラップ(重複)することがありますが、そこに共通する問題点として『見捨てられ不安・孤独感・喪失感』などがあります。子どもの発達過程では、発達早期(0〜1歳半頃)にまず『幻想的な母子一体感』を経験して愛着(アタッチメント)を形成しますが、ここから母親(父親)を『精神的な安全基地』として活用しながら段階的に探索行動(環境適応)へと向かう『分離・個体化』を進めていきます。

子ども時代に『両親との愛着(アタッチメント)』が上手く形成されずに孤独感・疎外感を感じ続けていたり、保育園・幼稚園・小学校といった外部世界でつらいことや悔しいことがあった時に『精神的な安全基地』として機能する両親がいなかったりすることで、慢性的な『見捨てられ不安・喪失感』が生まれやすくなります。

乳幼児期〜思春期の間にはどんな子どもでも、数多くの思い通りにならない体験をすることで、『不安・悲しみ・痛み・怒り・自分の弱さ・孤独・悔しさ・喪失感』といった感情を抱くものです。しかし、大半の子どもは、アダルトチルドレンのように成人になっても深刻な感情として続く『慢性的な見捨てられ不安・喪失感・自己否定感』を植えつけられるわけではありません。

子ども時代に色々なつらい感情体験をしたり誰かに傷つけられたとしても、家庭におけるフォローや両親・友人による支持を受けることで、『自分には生きる価値がある・つらいことを乗り越えていく能力を持っている・嫌な相手もいるが自分の味方になってくれる他者もいる』という肯定的な自己評価や他者への信頼感を高めていくことができるからです。

小学校で喧嘩をして殴られて痛い思いをしたり、いじめに遭って仲間はずれにされてつらい気持ちになったり、中学・高校で自分の進路をどうするか悩んだりした時に、『帰ることができる場所(家庭)・親身になって話を聞いてくれたり守ってくれたりする親(自己対象)』があるか否かによって、その子どもの『基本的な価値観や世界観・自己評価(自己効力感)』はかなり大きな影響を受けることになります。

“外の社会”にも“内の家族”にも『自分の味方になってくれる相手・自分が大切にされて安心して過ごせる居場所・気楽に自分の思っていることを話せる相手』が全くいないという状況を、子ども時代に長く経験することによってアダルトチルドレンになるリスクが高くなります。

それは『子どもの生きる世界・子どもが認知できる人間関係の範囲』が非常に狭いためであり、家でも学校でも自分の存在や感情を否定的に取り扱われると、『自分は生きている価値がない・誰からも好かれることがないダメな人間だ・自分が安心できる居場所なんて無いし楽しいこともきっと起こらないだろう』という悲観的認知を否定する材料(証拠)を集めることができないからです。

自己否定や自己嫌悪、卑屈さやいじけ(拗ねる)といった感情は、上記してきた『子ども時代の見捨てられ体験』が殆ど無くて、他者(親・友人)から大切にされた記憶が多くある人であれば、比較的短期間でそのネガティブな感情から立ち直ることができます。それは、正常な精神発達プロセスを経由すれば、孤独・喪失・自己否定からの立ち直りを促進する『対象恒常性』が形成されているからであり、自分を支えてくれる内的イメージである対象恒常性の原型は『親・家族との良好な関係の記憶』にあることが多いのです。

過去のどこかの時点に、自分を支えてくれた良好な親子関係や友人関係・異性関係がある場合には、生涯にわたって継続する可能性が高い『対象恒常性(つらい時に依拠できる支持的な内的イメージ)』が形成されやすくなります。そのことによって、成長してから相当につらいことがあったり厳しい状況があったりしても、『自分で自分を見捨てないメンタルタフネス・精神的な回復力』の基盤が準備されるわけです。

しかし、過去に自分を大切にされてサポートしてもらうような関係性や生活環境が全く無かったとしたら、つらくて苦しい状況の時に依拠できる『対象恒常性』も形成されず、他者のことも自分の能力(存在価値)も信用できないという、非常に苦しくて不安定な精神状態におかれることになります。

自分ひとりのみで何とかして孤独感(喪失感)やストレス状況に対処していかなければならないというと、人生に一定の自己責任を負う大人であれば、『そんなことは当たり前ではないか・誰だって多少の孤独や喪失感はある』と思う人も多いと思われます。しかし、大多数の人は親・友人などを中心として『過去に自分を大切に扱って貰えたという記憶・他者と一緒に楽しい時間を過ごせたという実感』がありますから、苦しい時や孤独になった時に『回帰しようとする関係・場所のイメージ』を既に持っています。

『楽しい会話・温かく安心できる空間・自分を尊重される体験・信頼できる人間関係・楽しい出来事』などというフレーズと無意識的に結びつく恒常的なイメージを持っているか否かによって、新たな環境や人間関係への適応性が大きく変わってきますし、自分に対する自信やストレス耐性にも影響がでてきます。多くの人は『対象恒常性』と関連したポジティブなイメージ(観念)を内面に生起させることができますから、アダルトチルドレンのように『慢性的な喪失感・見捨てられ不安』によって、自分を極度に否定したり将来のすべてを悲観的に捉えたりという『認知の歪み』が少なくなってきます。

自分がいつも親から見捨てられているという体験には、大きく分けて『身体的・物理的なネグレクト(育児放棄)』『情緒的・支持的なネグレクト』がありますが、前者は健康で安心して生活するための『衣食住』が与えられていなかったり、身体的・性的な虐待が行われていることを意味しています。

『情緒的・支持的なネグレクト』にはさまざまなパターンがあるので一義的に説明するのは難しいですが、現象面としては『子どもを馬鹿にする・子どもを邪魔者扱いする・子どもの人格や意見を全否定する・子どもの感情や訴えを無視して放置する・親の期待に応えるなど“条件つき”の愛情や賞賛しか与えない・子どもに厳し過ぎる罰を与えていつも家庭がピリピリしている・子どもに恩を着せて執拗に養育の見返りについて言及する』などがあります。

アダルトチルドレンの問題や家庭環境(親子関係)のトラウマには『見捨てられ不安・慢性的な喪失感(無価値感)』が深く関係していますが、幼児期〜児童期の親子関係・養育行動の中でトラウマを与えないようにするためには、以下の4つのポイントが重要になってくると思います。

1.子どもを物理的な危険や欠乏、心理的な不安から守って上げるような『安定した家庭環境』を整備すること。

2.子どもの存在や能力、話す内容を無条件に認めてあげるような『支持的な親子関係』を作ることで、子どもが自分の存在価値や安心感を実感できる機会を増やすこと。

3.子どもが本当に困っていてつらい時には、相談に乗ってあげたり必要な支援をしてあげることで、『信頼できる人間関係の原型(孤独耐性となる対象恒常性)』を作ること。

4.本気ではない冗談であっても、子どもを侮辱(無視)したり馬鹿にしたりする言動をしないこと、『子どもの帰れる居場所』として家庭や親子関係を機能させていくこと。










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