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help リーダーに追加 RSS なぜ、株式市場において株価が上がったり下がったりするのか? 資本主義と株式市場の基本的な仕組み

<<   作成日時 : 2008/12/02 08:12   >>

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株式変動に関する『基本的な仕組み』についての質問が、はてなに上がっていたので少し考えてみたいと思います。


なぜ株価があがったり下がったりするのか

なぜ株価があがったり下がったりするのか、株を買うときに払ったお金はどんな風に使われるのか、小学生でも分かるように説明してください。


『株』とは株式会社が発行して資金を集めるための『有価証券(公的に認められる貨幣・物品との交換価値のある証券)』ですが、株券が個人に売買される『株式市場』に公開されなければ株価は基本的に変動しません。しかし、株式市場に公開しなければ身内だけで株に出資することができる金額は一般的には小さくなってしまいます。10万円ずつ10人が出資しても100万円しかお金を集めることが出来ません。

何億円以上といった大金のかかる大きな事業計画を動かそうとすれば『よりたくさんの出資者(投資家)』に株を買ってもらう必要があり、身近な親戚や知り合いだけに『この事業をするために株を買ってくれないか』と直接交渉をしても埒が開きませんし、自分ではビジネスを拡大させて成功させる自信があってもお金のことを身近な知り合いにお願いして回るというのは心理的プレッシャーが大きくなります。

日本ではお金を他人の事業に投資することに対して積極的な人はほとんどいませんから、『(損をするような)迷惑な話』を持ってきやがってと嫌な顔をされる可能性も高いでしょう。しかし、世の中には『持っている資金』を積極的に株式に投資したいという人たちが集まって、毎日株の売買を盛んに行っている場所があります。それが東京証券取引所(新興企業向けの東証マザーズ)やジャスダック証券取引所、大阪証券取引所(新興企業向けのヘラクレス)などに代表される『株式市場』です。

もちろん大金を集めるわけですからどんな会社でも株式を上場できるわけではありませんが、各証券所が定める上場基準(使い道の無い資金だけを不当に集めることがないように、きちんとした事業内容を持っていて経営・財務状況も良いという信頼性の基準)を満たしていれば、東証1部やジャスダックなどの『大勢の出資希望者が集まる株式市場』に株を公開することができます。1万人の人が5万円ずつ出資してくれたとすれば即座に返済義務のない5億円の事業資金を集めることができるわけで、事業資金を集める手段としては利子のつく銀行からの融資よりもかなり有利なわけです。

大勢の人がより高い価格で株を購入してくれるほど、より大きな事業資金(しかも株式会社には返済義務がない)を集めることができるわけで、それが企業が株式を売買してもらいたいと考える最大の理由です。つまり、株式を公開するということは『不特定多数の出資者』に株を売買してもらうということであり、より大きな事業資金を集めるための手段を準備するということです。もちろん、元本保証のないお金を自己責任で出資する法人・個人の側にも、一定のリスクに見合うだけの多くのメリットがあるから株券は売れるわけです。

株券とは『株式会社に出資することで獲得した企業の所有権・配当金・株主優待権を証券化したもの』であり、株券を購入して所有していれば株主総会での議決権を得ることができたり、利益に応じた配当金を受け取ったり、株主優待でその企業からの商品・サービスの提供を受けたりすることができます。株価が上がって『自分が買った時の金額』よりも高い株価で売ることができれば『キャピタルゲイン』と呼ばれる株価を売却して得られる利益を手に入れることができます。

ちょっと株式そのものの説明が長くなりましたが、『なぜ株価があがったり下がったりするのか』というと『株を売買するために作られた場所(証券取引所)』に『株を売買したいと思う法人・個人』が集まって、さまざまな情報(経済関連ニュース・財務諸表・PERなどの指標・企業のIR・業界の景気動向)や株価チャートを参考にして『何円で買いたい・何円で売りたい』という金額の交渉を絶えず行っているからです。

株は利益を上げようとする投資の一種ですから『儲けたいと思って株を売買する個人』が集まっています(少なくとも企業や他の投資家にお金を寄付しようと思って株を買う人などは滅多にいません)。そのため、自分の持っている株を少しでも高く売ろうとし、自分が持っていない株を少しでも安く買おうとしている人がウェブや証券会社に集まって交渉し、『(各種の関連情報を参照した上での)売り手と買い手の価格の条件』が折り合った時に株価は変動するわけです。


>>それでも買ってくれる人がいないと、80円ではどうか?70円ではどうか?と値段が下がってしまいます。

>>逆に、買いたい人が多いと、1000円で売ってくれないか?ダメなら1100円ではどうか?と値段が上がります。」

これは誰が言っているんですか。おそらく比喩だとは思うのですが、どういう基準であがったり下がったりしているのか、具体的な計算式などがあると嬉しいです。


既に回答が為されていますが、これは比喩ではなく『株を買いたいと思う人』と『株を売りたいと思う人』が希望する金額を提示して(これを指値注文といいます)、その金額にお互いが同意できれば株の売買が成立するということです。株の売買の注文では『価格優先の原則』があり、『より高い価格で買おうとする人・より安い価格で売ろうとする人』の注文が優先して成立しますので、無茶苦茶な価格設定の注文(市場の評価を無視した株価での注文)を出しても売買は全く成立しないということです。


>>だとしたら、会社にとって株を売る理由ってあるんでしょうか。なんの得があって、自分とは関係ないのに、株を売ったり買ったりしなくちゃいけないんでしょうか。


会社は株式の発行主体であって『自社株』を100パーセント保有しているのでもなければ、『他人が所有する株』の売買をコントロールすることは出来ません(100パーセント保有していれば自分で自分の株をすべて持っている状態なので、外部からお金を集められず株式会社の意味がありませんが)。いったん、市場に株式を公開すれば株式の所有権は『買い手』に移りますから、後はその会社の損得とは関係なく『買い手』が自由に売買したり保有したりすることができるというだけです。株式会社が自分と関係ないのに株を売買するのではなく、株というのは会社が発行した『価格変動型の商品』のようなものであり、株を個人・法人に売ってしまえばその株(金融商品)の所有権は当然に買った相手に移ることになります。

原則的に、上場した株式会社は『より大きな利益を出そうとする事業資金』として市場(個人・法人の投資家)からお金を集めるのであって、『株式発行そのもの(お金を集めることそのもの)』が会社の仕事・目的ではないですから、株式発行で集めた事業資金をどのように自社のビジネスに使っていくのかが重要になります。一部上場企業では通常あり得ませんが、実態のないビジネス・投資の巧い架空の儲け話を作り上げて、不特定多数から資金を集めることそのものを目的とすれば出資法違反(出資詐欺)ということになります。

株式会社の『得』というのは、初めに巨額の資金を集められるということであり、世間的に『大企業』として評価されやすい上場企業としての認知・イメージを得られるということでしょう。また、株式市場には各国の各産業を代表するような巨大企業の多くが参加しているため、株式市場の景況を数値化した日経平均株価・TOPIXや米国のダウ平均株価・S&Pのような経済指標によって『経済の大まかな景気変動』を知ることができるというメリットもあります。実際、毎日の経済ニュースでは必ず日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)の上げ下げが為替レートと共に報道されており、株価は失業率・消費者物価指数などと並んで経済状況を推測する有力なバロメーターの一つとして定着しています。株式会社が自分の株を売買することももちろんできますし、通常は会社の経営権を奪われないように自社株の50%近くを自社や関連企業が保有していることが多いです。

資本主義経済では、必要な資金を集めて大規模な事業を運営するために『お金を持っている人がお金を出し、仕事のアイデアや能力を持っている人がそのお金を預かって仕事をする』という株式会社の仕組みを整備・発展させてきました。資本主義とは、お金(資本)を投資して事業活動を拡大し利潤を増やしていこうとする経済の仕組みのことですが、株式市場はマネーゲームに陥りやすいという問題や連鎖的な暴落リスクを抱えながらも、『投資したい人たちのお金と将来性のある事業のアイデア・能力』を結びつける役割を果たしているということですね。






■関連URI
保田隆明『なぜ株式投資はもうからないのか』の書評1:米国サブプライムローンの焦げ付きと株式市場の下落

ロバート・P・マイルズ『バフェット 投資の王道』の書評:企業価値への長期集中投資と株式市場の軽視

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