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help リーダーに追加 RSS デジタル・デバイドとユビキタスの未来社会:1

<<   作成日時 : 2005/07/15 00:07   >>

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情報端末であるパソコンやモバイル機能のある携帯電話などが家庭と個人に普及し、WWWに接続できるインターネット環境が整備されていく過程で、“IT(Information Technology:情報技術)”という言葉が頻繁に用いられ、時代は情報革命時代に突入したといったニュース報道が多くなされていました。
しかし、現在では、私たちの日常生活の中に情報技術を利用した“パソコン、携帯電話、PDA、iPod(デジタル音楽プレイヤー)”といった情報関連機器がすっかり浸透したこともあって、ITという言葉が使用される場面はめっきりと減りました。つまり、情報化社会に生きていることが既成事実化したことによって、とりたてて情報革命やITという言葉を使用する必然性がなくなってきたという事です。

個人所有のパソコンを情報の入出力の拠点とする情報化社会が進行し普及していく一方で、パソコンやインターネットといった情報関連技術を使いこなせる人と使いこなせない人(あるいは、初めから情報技術への興味関心を持たない人)の間の『デジタル・デバイド(digital divide)
が拡大しているという問題もあります。
デジタル・デバイドとは、『情報格差によって産出される社会的格差の総体』を意味するIT用語ですが、実際、若年世代でパソコンに関する一切の知識と技術を持たない場合、就職機会の減少や職業活動の困難からくる経済格差などが生まれてきています。

勿論、社会に必要とされる職業の大半には、専門的水準のIT関連知識やパソコンやプログラムに関する技能は必要ありませんし、私もパソコンやプログラムの専門知識などは殆ど無いに等しいのですが、『電子メールを送受信できること・携帯電話を操作できること・インターネットを閲覧できること・簡単な事務処理をパソコンで出来ること』などの基本的なIT関連知識は、どの職業にあってもある程度要請されてきますし、その知識や技能があって有利になることはあれ不利や損失になることはまずありません。

デジタル・デバイドという概念が包括する範囲は、国家内部の社会的格差に限定されるものではなく、地球規模の地域間格差や国家間格差も含まれています。
情報技術や情報インフラ基盤がいくら整備されても、パソコン等の情報端末を入手できない貧困状態にある人や情報技術を使いこなす為に必要な基本的な教育を受けていない国々の子ども達は、必然的に情報技術による恩恵や利益を受けることが難しくなり、情報技術に関する高度な教育を受けた先進国の人たちとの経済格差や情報格差が拡大し、その格差が固定化されるといった国際的な問題へと波及していきます。

デジタル・デバイドは、先進国であるアメリカや日本にも存在する社会問題であり、その原因も、経済的困窮のためにパソコンやインターネット(プロバイダ契約)を利用できないというものから、パソコンやインターネットを使用するメリットは分かっているが気分・意欲の面でやる気になれないという主観的関心の問題、自分の居住する地域にブロードバンド環境が整備されていないというインフラ面の問題など様々なものがあります。
デジタル・デバイドによって実際的な経済格差や就業機会の減少などが生まれず、自分自身の主体的な選択によって『パソコンやインターネットは必要ないから利用しない』と選択している場合であれば、デジタル・デバイドは問題にはなりませんが、『本当はパソコンやインターネットを利用して、様々な職業的スキルや必要な知識を得て就職などに役立てたい』のに様々な困難や障害を理由にITを利用できないという場合には大きな問題となってきます。

国際問題としての先進国と途上国の間に横たわるデジタル・デバイドの抜本的な改善策を提起するのは難しいのですが、やはり、現在取りうる最善の施策としては、ODAなどを活用してコンピューター教育とインターネット関連技術に焦点を当てた義務教育を開発途上国や貧困地域に普及させていくことや、先進国を含む世界の子ども達に、“自分自身の将来の希望や目標に前向きに向かえるような適切な教育機会”を準備することだと思います。

『自分が必要とする知識や学び取りたいとする技術』『生きていく事が楽しくなるようなQOLを向上させる知識や技術』を習得するためのアクセシブルな教育機会や適切で十分な教育内容を用意することが、子ども達のみならず学習意欲のある人たち全てにとって有益な社会資源となるでしょう。
また、生涯のどの段階でも自分が学習したいと希望する時に、学習しやすい教育環境を整備することは、広義のセイフティ・ネットの構築に当たるもので、洗練された文明国家の基本理念として掲げるに相応しいものでもあるでしょう。


情報化社会の進展とユビキタスの実現が、デジタル・デバイドの解消や改善に貢献するという趣旨の文章が、『ユビキタスで世界は変わる?』という記事に書かれていますが、機械と人間の相互的なかかわりを考える際の参考となると思いますので、興味のある方は一読してみてください。


■ユビキタスによって、社会はこう変わる

家電や普通の電話、時計やポータブルMDプレーヤなどがネットワークで結ばれ、駅の自動券売機やコーラの自販機までもがネットワークにつながれ、車や電車の中からでもインターネットにアクセスできるような社会が「ユビキタス社会」だという。

すでに車に関していえば、GPSの搭載と携帯電話などを利用した双方向のカー・ナビゲーション・システムなどでネットワークへアクセスしていく原型はできている。また、インターネット家電としては、庫内の残り物で作れる料理のレシピを探し出してくれるインターネット冷蔵庫のプロトタイプや、留守中に洗濯を指示できるインターネット洗濯機(ただしイタリア製)などが登場した。パソコンとキーボード(それに電源!)を確保したり、難しいプロトコルの設定に苦労したり、アクセス用回線の遅さにイライラする必要はなくなる。

もっと良いこともあるらしい。例えば、体に障害があって、いまのパソコンや携帯電話の利用は難しいという人たちにとっても、ユビキタス・コンピューティングが実現すれば、もっと簡単にネットワークにアクセスでき、必要な情報を引き出すことができるようになる。ユビキタス社会の実現は、人々がデジタル・デバイドから解放されることも意味する。

また、思いついたとき、ちょっと時間があるときに、自分が端末を持っていなくても気軽にネットワークでオンライン・ショッピングができるようになれば、あっという間に消費者の間に電子商取引が広まるだろう。

■ユビキタスがもたらすもの

企業においては、いつでもどこでも簡単に会議ができるようになるだろう。オンラインでの受発注などはいまでもマーケットプレイスで行われているが、競りや仕入れにだれでも、どこからでも参加できるようになれば、中小企業にもビジネスチャンスが広がるのではないか。

なにより、ユビキタス社会には新しいコミュニティが育つ可能性がある。常時、いつでもどこでもネットワークに参加できるようになれば、人々は電話代や時間やアクセスの速度を気にせずに情報の交換をすることができる。

「便利さ」こそが21世紀の社会で、人々に最も支持されるキーワードになるはずだ。もちろんこれは「だれにでも(便利)」という条件付きである。そのためにも、高所得層ほどITの恩恵を受けるような社会ではなく、貧富の差や国を越え、ネットワークが提供されるようにならなければなるまい。


引用したこの記事には、爆発的なIT機器(パソコン・携帯電話)の普及の根本的な動機として、若年世代の『コミュニケーションへの欲求』があったとする考察が述べられていて、コミュニケーションの活発化や人間関係の範囲の拡大が魅力のSNS利用者の増加や議論や対話を嗜好するブログ開設者の増加などと合わせて考えると非常に興味深いものがあります。


■関連URL

デジタル・デバイドとユビキタスの未来社会:2

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デジタル・デバイドとユビキタスの未来社会:2
デジタル・デバイドの問題から少し離れて、発展と普及をし続ける情報化社会の未来について、ユビキタス・ネットワークなどを参考に展望してみます。 あらゆる種類の情報を、いつでも、どんな場所に居ても簡単に受信でき、自分が世界に向けて伝えたい情報や特定の他者に伝えたい内容を、いつでも、どこでも手軽に発信できるという高度情報化社会が現段階で実現可能なユビキタス社会の形だと私は解釈しています。 ...続きを見る
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